放射性核種は {原子核・放射能・健康}

原子核のなかには、粒子や電磁波などの放射線を放出して、自然に他の原子核に変わったり、状態を変えたりして、他の状態や別の原子核に変化するものがある。

このような原子核を放射性核種という。

また放射線を放出して変化する性質や放出する能力そのものを放射能という。

然に存在するものを天然放射性核種、加速器や原子炉での核反応を用いて人工的につくられたものを人工放射性核種という。

放射性崩壊には、ヘリウム原子核すなわちα粒子を放出するα崩壊、電子または陽電子を放出するβ崩壊、電磁波すなわち光子を放出するγ崩壊のほか、原子核の外を回っている電子を吸収したり、はじき飛ばしたりしておこる崩壊や、自発核分裂などがある。

ふつう放射性核種は、これらの崩壊を繰り返しながら安定になるまで次々と変化していく。

この過程でできる種々の放射性核種は、次々とおこる一連の崩壊系列をつくる。

重い天然放射性核種の質量数Aはnを正整数とするとき、トリウム系列、ウラン系列、アクチニウム系列の三つの放射性崩壊系列をつくっている。

これらの系列のほかにも、天然放射性核種として、カリウム40やルビジウム87のような核種がある。

宇宙線による核反応などでつくられているものを誘導天然放射性核種というが、このなかにはトリトンや炭素14などがある。

半減期5730年の炭素14は、考古学の年代測定に利用されている。

人工放射性核種は、1934年にジョリオ・キュリー夫妻により創られた。

ポロニウム原子核から出るα粒子を種々の原子核にぶつけた実験である。

その後、加速器や原子炉を用いて種々の核反応をおこさせることが可能となり、現在では実に多くの人工放射性核種がつくられるようになった。

このなかにはネプツニウム系列とよばれる崩壊系列に属するものがある。

高速の粒子を原子核に衝突させることによって、原子核から何個かの核子をはぎ取ったり、逆にくっつけたりすることができる。

その結果、安定な核種と比べて中性子数が多すぎたり少なすぎたりするような新しい不安定原子核が生まれる。

これが人工放射性核種となる。
update:2010年02月20日